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ボイラー技士とは?難易度・合格率と資格取得のメリット

ボイラーを取り扱うために必要な資格が、ボイラー技士です。

取り扱うボイラーの大きさによって、特級、1級、2級ボイラー技士の資格が必要になります。ボイラーは私たちの生活に欠かせない設備のため、今後もボイラー技士は安定して活躍の場がある職種です。

転職やキャリアアップのためにボイラー技士資格取得を目指す人のために、ボイラー技士の資格の概要や種類、取得するメリットや向いている人、さらに各ボイラー技士ごとの試験内容や合格率についてまとめました。

どのボイラー技士資格を取得すべきか迷っている人や、これから試験勉強をしたい人は、ぜひ参考にしてください。

ボイラー技士とは

ボイラー技士とはボイラーの取り扱いができる資格です。ボイラーとはかんたんにいえば、温水や蒸気を作り出す装置を指します。代表的なのが、家庭用湯沸し器や追い炊き器、温浴施設のボイラーなどです。

もっとくわしく言うと、ボイラーは以下の3つの条件を満たした装置を指します。

  1. 火気、高圧ガス、電気で動く
  2. 水や熱媒を加熱して、温水や蒸気を作る
  3. 作った温水や蒸気をほかに供給する

熱や電気を使う、さらに温水や蒸気を作る装置であるボイラーは、ひとつ取り扱いを間違えると大事故につながります。

そのため、ボイラー及び圧力容器安全規則第23条により、ボイラーはボイラー技士資格を持っている人でないと取り扱いができないと定められているのです。

ボイラー技士の種類

ボイラーには大きさや伝熱面積が異なるいろいろな種類のものがあります。ボイラーの大きさによって取り扱いができるボイラー技士の種類が異なり、それぞれ特級、1級、2級ボイラー技士免許が設定されているのです。

小規模ボイラー・簡易ボイラーとは

なお、労働安全衛生法施行令第6条第16号で「小規模ボイラー」と定義されているボイラーに限り、ボイラー技士資格だけでなくボイラー取扱技能講習を修了した人でも取り扱いが認められています。

同じく「簡易ボイラー」と定義されているボイラーについては、資格がなくても取り扱い可能です。

小型ボイラーは免許が必要

ただし、小規模ボイラーや簡易ボイラーではなく、「小型のボイラー」など、法令上ボイラーと定義されているものは、以下いずれかのボイラー技士免許がなければ取り扱いができません。

2級ボイラー技士

2級ボイラー技士は伝導面積が25m2未満(貫流ボイラーの場合は250m2未満)のボイラー、または小規模ボイラーを取り扱うときにボイラー取扱作業主任者として専任できる資格です。

1級ボイラー技士

1級ボイラー技士とは、2級ボイラー技士が取り扱えるボイラーに加えて、伝導面積が25m2以上500m2未満(貫流ボイラーの場合は250m2以上)のボイラーを取り扱うときにボイラー取扱作業主任者として専任できる資格です。

特級ボイラー技士

特級ボイラー技士とは、1級・2級ボイラー技士が取り扱えるボイラーに加えて、伝導面積が500m2以上のボイラーを取り扱うときにボイラー取扱作業主任者として専任できる資格です。

このようにボイラーの取り扱いや点検を作業現場においては、安全を確保するために各種ボイラー技士資格を取得している人をボイラー取扱作業主任者として選任するのが、法律で定められています。

ボイラー技士の資格取得メリット

ボイラー技士資格を取得すると、ボイラーの取り扱いや管理ができるようになります。

ボイラーは一般家庭から学校、病院、ホテルやスパなどの施設、さらに大規模な工場やプラントなど、あらゆるところで利用されています。

私たちの生活のなかでボイラーは必要不可欠な装置のため、今後も景気などに左右されず安定した需要があるのがメリットです。

また、2級ボイラー技士からステップアップして資格を取得していくことになりますが、未経験でもチャレンジできる資格職です。

ボイラー技士資格があれば手当がついたり、年収がアップしたりする可能性も高いため、キャリアアップのための資格としても選択肢に入ります。

年収や給料、転職に有利になる?

ボイラー技士は、ボイラーが設置してある施設のスタッフだけでなく、ビルメンテナンスなど保守点検を行なう会社でも求人があります。

いろいろな業種で求人が出されているため、転職にも有利になります。

給料は地域差があり、時給の場合は最低でも1,050円~、月収は15~65万円、年収は300~800万円になっています。

平均的な月収は30万円前後、年収は500万円前後と考えられます。

また、取得したボイラー技士免許の種類によって取り扱いできるボイラーが異なるため、2級よりも1級、1級よりも特級のほうが年収が高くなる傾向があります。

ボイラー技士の仕事内容

ボイラー技士免許があると、以下のような仕事ができるようになります。

  • ビルメンテナンス会社
  • ビル管理会社
  • 建設会社
  • 旅館、ホテルなどの宿泊施設
  • 総合病院や大型福祉施設
  • 工場やプラント製造会社 など

    ボイラー技士はボイラーの取り扱いのほか、点検も行ないます。点検ではボイラーの部品についたススや集じん機、公害防止設備などの清掃もします。汚れが残っていると、引火の危険性もあるため、すみずみまできれいに清掃作業することが求められます。

    また、ボイラーの空気圧の調整、お湯や蒸気の量、温度などを日々管理して記録します。つねにボイラーを正しい状態にできること、毎日同じ作業をくりかえしできる根気のある人も向いています。

    ボイラーを動かすにはガスや電気、熱などのエネルギーが必要になります。

    必要に応じてボイラーが作動するために必要な部品を発注、在庫管理などもボイラー技士の仕事です。発注や管理に必要な臨機応変さも求められています。

    向いている人

    ボイラー技士には、以下のような性格の人が向いてるいます。

    • こまかい作業が苦ではない人
    • スピードよりも正確さを重視できる人
    • 同じ作業を繰り返しできる人
    • 臨機応変に行動できる人

    メンテナンス系に有利

    ボイラー技士資格があるとビルメンテナンス会社の就職にも有利になりますが、メンテナンスのうえでは、ほかにも危険物や消防設備の取り扱いが求められます。

    ボイラー技士だけでなく、危険物取扱者消防設備士電気工事士などの資格があればできる業務の幅が広がるため、より就職に有利となるでしょう。

    ボイラー技士の資格試験と難易度

    ボイラー技士になるには、ボイラー技士試験を受験して合格しなければいけません。受験申請から免許取得までの流れをまとめました。

    1. 受験を希望する都道府県の安全衛生技術センターに、受験申請書を請求する
    2. 記入した受験申請書、受験料、写真を添えて各安全衛生技術センターへ窓口か郵送で申請
    3. 自宅に郵送された受験票を持参し、試験日に各安全衛生技術センターで受験
    4. 合格したら自宅に免許試験合格通知書が送付される。受け取ったら免許申請をする。

    なお、科目ごとの正解率が40%以上ずつ、かつ全体の正解率が60%以上で合格となります。

    各科目の試験については、公益財団法人 安全衛生技術試験協会のサイトで過去2回分の問題が公開されています。

    2級ボイラー技士の合格率

    2級ボイラー技士は受験資格はありません。合格率は約55%で難易度は普通です。

    ボイラーの構造に関する知識10問、ボイラーの取扱いに関する知識10問、燃料及び燃焼に関する知識10問、関係法令10問が出題されます。

    1級ボイラー技士の合格率

    合格率は約58%で難易度は普通です。

    ボイラーの構造に関する知識10問、ボイラーの取扱いに関する知識10問、燃料及び燃焼に関する知識10問、関係法令10問が出題されます。

    1級ボイラー技士の受験資格

    1級ボイラー技士は受験には一定上の条件が設けられています。

    • 2級ボイラー技士資格を持っている
    • または特定の免許を持っている
    • 実務経験があるなど

    特級ボイラー技士の合格率

    合格率は約25%で難易度はやや難しくなっています。

    ボイラーの構造に関する知識6問、ボイラーの取扱いに関する知識6問、燃料及び燃焼に関する知識6問、関係法令6問が出題されます。

    特級ボイラー技士の受験資格

    • 特級ボイラー技士は1級ボイラー技士資格を持っている
    • または特定の免許を持っている
    • 実務経験があるなど

    ボイラー技士は安定的な需要がある

    ボイラーは一般家庭のほか、いろいろな施設や工場に設置されています。生活に欠かせない設備のため、今後もボイラー技士は多くの需要が見込まれる、将来性の高い資格です。

    まずは受験資格のない2級ボイラー資格を受験し、徐々に1級、特級とステップアップすると、ボイラー技士としてのスペシャリストが目指せ、大型プラントや化学工場など限定的な場所でも働けるようになります。

    また、ビルメンテナンス関連の転職を目指すなら、2級ボイラー技士のほか第二種電気工事士、第三種冷凍機械責任者、危険物取扱者乙種4類をセットで取得すると有利になります。

    いずれの資格も受験資格なしで取得できるため、未経験からビルメンテナンスへの転職を目指すなら、これらの資格取得もぜひ視野に入れてみましょう。

    記事の執筆者

    株式会社クリオ はたら工場マガジン編集部
    工場経験者も在籍しているはたら工場マガジン編集部が製造業の気になる情報を発信しています。体験者へのインタビューや工場の仕事の裏側もお見せします。