[最終更新日]  [公開日] 2019/10/7

はんだ付けの仕事内容とは?工場で使えるハンダの資格

ハンダと呼ばれる金属を溶かして接合させる技術がはんだ付けです。私たちの日常生活の様々なところで取り入れられているはんだ付けの仕事は、主に工場で行われています。

はんだ付けの仕事内容や技術について、仕事に必要なものや資格についてご紹介しています。

ハンダとは

ハンダとは、鉛とスズを主成分として作られた合金です。ハンダは主に熱で溶かしてほかの金属や部品同士を接合させるのに使われています。

用途によってスズの含有量が異なり、大きく分けて金属用と電気用の2種類のハンダがあります。金属用のハンダは一般金属用とアルミニウム用に分かれ、電気用は電気配線やプリント基板、銀入り、高融点、低融点に分かれています。なお、電気用ハンダは酸化すると電気系統に影響が出てしまい、基盤や配線が正常に動かなくなる恐れがあるため、酸化防止のための油脂が含まれています。

なお、近年では鉛の環境問題や人体の健康への影響を考えて、鉛が使用されていないハンダ(鉛フリーハンダ)の開発や、ハンダの代わりに金や銀の使用などが進められています。

さらに、板状の板ハンダ、コイル状に巻かれた糸ハンダ、棒状の棒ハンダなど、形状によっても名称が異なります。

はんだ付けとは

ハンダを熱で溶かして、金属や部品同士を接合する技術を「はんだ付け」と呼びます。ハンダごてと呼ばれる工具を使用して行いますが、はんだごてを使わずに直接金属を加熱して接着する方法もあります。

また、はんだ付けによって接合された金属同士は、通電性が高いため、主に電化製品や精密機器の内部にある電気配線やプリント基板の接合に用いられています。はんだ付けは、オートメーション化されている「フロー方式」と「リフロー方式」、はんだごてを使って手動で接合する3つの方法があります。

フロー方式

あらかじめ加熱して溶かしておいたハンダをはんだ槽に貯めておき、基盤などの下部分をはんだ層の表面に浸してはんだ付けを行う方法です。溶かしたはんだが動かないDIP方式のはんだ槽と、はんだが波立つフロー方式のはんだ槽があります。

リフロー方式

プリント基板などのはんだ付けを行うものの表面に、油脂などを加えて適度な粘度にしたペースト状のはんだを印刷して、その上に部品を乗せて、加熱してはんだ付けを行う方法です。

ハンダごてを使う方法

加熱式のハンダごてを使ってハンダを溶かし、電子基板や配線、部品同士を接合する方法です。オートメーション化されているはんだ付けの技術も多くありますが、微細な細工や接合が必要な部品には、手動でのはんだ付けも多く用いられています。

ハンダごては先端を加熱して使用しますが、電気式のものもあれば、コードレスで使用できるガス式のものもあります。さらに、先端がとがっているナイフ形や鉛筆型、細いノミのようなマイナスドライバー型、斜めに切った円柱型のC型など、先端の形状もたくさんあります。接着したいハンダによって、先端を変えながら作業を行います。

次に、手動でのハンダごてを使ったはんだ付けのお仕事のメリットやデメリット、なるために必要な物をご紹介します。

はんだ付けの仕事のメリット

ハンダのお仕事に就く前に覚えておきたい、メリット・デメリットをご紹介します。

未経験からスキルアップができる

綿密な作業であるハンダは、特殊な技術が必要なお仕事とイメージされがちですが、実は未経験からもOKの工場求人もたくさん出されています。コツを掴めば初心者でも始めやすい作業であるのに加え、ハンダのお仕事は実務経験を積めば積むほど技術力が身に着きます。経験を積めばより繊細な技術が必要な仕事も任されるようになりますので、やりがいも高いだけでなく、未経験からスキルアップをして、一生続けられるお仕事や技術力を身に付けたい人にもぴったりのお仕事です。

細かい作業が好きな人には適職

ハンダごてを使って行うハンダの作業は、綿密さや集中力が必要です。元々、プラモデル作りなどの手先を使う作業が好き、または得意な人には適職といえます。さらに、座って行う作業のため、手芸や編み物などが得意な女性でもチャレンジしやすい工場の職種です。

はんだ付けの仕事のデメリット

やけどのリスクがある

ハンダを加熱して金属や部品との接合を行うハンダごては、先端が高温になる工具です。うっかりミスをしてしまうと、やけどを負うリスクがあるだけでなく、大事故に繋がる可能性もあります。作業はスピーディに行うよりも慎重に行う、工具やハンダの取り扱いに注意するなどの取り組みが必要です。

目や手が疲れる

ハンダごてを使って綿密な作業を行うため、長時間の作業では目や手が疲れるデメリットがあります。とはいえ、工場によってはシフト制でひとりに大きな負担がかからないようになっていたり、顕微鏡などのツールを使って目の負担を軽減したりの取り組みを行っていますので、求人内容をよく確認した上で応募するのが重要です。

はんだ付けの仕事に向いている人

ハンダのお仕事に就く際に必要とされるものをご紹介します。

慎重さ

ハンダごてを使って適切な箇所にハンダを接合させないと、配線や基盤が正常に動きません。さらに、高温のハンダごてを使うため、常に怪我ややけどに気を付けての作業が求められます。いつでも慎重さを持って作業に取り組める人が求められています。

根気

ハンダのお仕事は、綿密な作業をコツコツ黙々と行います。毎日同じ作業を繰り返し行える根気強さが必要です。

向上心

ハンダは、簡単な作業から始まって、できる作業が増えたり技術力が高くなったりすると、どんどん任せられる作業の範囲も大きくなっていきます。向上心を持って作業に取り組めば、スキルアップだけでなく給料や待遇のアップも見込めます。

あると有利なハンダに関する資格

はんだ付け検定

ハンダの技術を持っている証明となる検定試験が、「はんだ付け検定」です。内閣府認定のNPO法人「日本はんだ付け協会」が運営、実施しています。はんだ付けの正しい知識を身に着けることを目的とした検定で、1級から3級までが全国の会場で実施されています。受験資格はなく未経験者でも取得可能です。

参考:はんだづけ検定とは – NPO 日本はんだ付け協会

電子機器組立て技能士

電子機器組み立て技能士は、厚生労働省が認定する国家検定資格のひとつです。各都道府県職業能力開発協会が実施し、特級と1級、2級、3級があります。3級の受験資格はないため、ハンダ初心者はまず3級の合格を目指し、その後2級、1級…を目指していけば、はんだ付けでのキャリアアップにも繋がります。

参考:技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)

マイクロソルダリング技術資格

はんだ付けの中でも、数センチや数ミリ単位の部品をはんだ付けする技術を「マイクロソルダリング」と呼びます。マイクロソルダリング技能資格は、一般社団法人日本溶接協会が運営、実施しているマイクロソルダリングの技術資格検定試験です。

各資格ごとに詳細な受験の条件がありますが、一番最初のオペレーター資格は18歳以上で3ヶ月以上の実務経験があれば受験、取得できます。

マイクロソルダリング技術資格
資格名 受験条件 
技術者 (1)インストラクタの経験2年以上
(EEG)(2)工業高等学校以外の高等学校卒業の場合 – 経験6年以上
(3)工業高等学校卒業の場合 – 経験5年以上
(4)理工系工業高等専門学校 – 理工系短期大学又は理工系以外の大学卒業の場合 – 経験3年以上
(5)理工系大学卒業の場合 – 経験2年以上
(6)上記の各項と同等の能力及び経験があると認められる場合
インストラクタ
(INS)
(1)満22才以上で経験4年以上
(2)理工系以外の大学卒業の場合 – 経験3年以上
(3)理工系大学卒業の場合 – 経験2年以上
実装工程管理技術者
(PEG)
(1)満20歳以上で経験2年以上
(2)理工系大学卒業の場合 – 経験1年以上
実装工程技術者
(APE)
(1)満18才以上で経験6ヶ月以上
インスペクタ
(ISP)
(1)満18才以上で経験3ヶ月以上
上級オペレータ
(AOPR)
(1)満18才以上で経験6ヶ月以上
オペレータ
(OPR)
(1)満18才以上で経験3ヶ月以上

参考:マイクロソルダリング技術資格 | 01受験条件

まとめ

ハンダのお仕事についてご紹介しました。オートメーション化による作業も行われている中でも、ハンダごてを使っての手作業の分野はいまだに需要が高くなっています。今後も多くの工場でハンダのお仕事の求人が出される見込みがあるのに加え、初心者にも門戸の広い職種のため、興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。