[最終更新日]  [公開日] 2019/10/7

板金工とは?板金の仕事内容や資格について

金属を色々な形に変える技術の中でも、基礎であり認知度も高いものが「板金(ばんきん)」です。日常的なところでは、車をぶつけてしまった際にできるへこみの修理などでお世話になります。

その板金を職業として働く人を板金工(ばんきんこう)といいます。

板金工は修理だけではなく、金属を曲げたり叩いたりして、好みの形に作って新しい価値も生みだします。工場やのものづくりの上でも欠かせない技術なんですね。

板金工の仕事内容や働くうえでのメリット・デメリット、板金に関係する資格などについてご紹介しています。

板金とは?

板金と呼ばれる、薄い金属の板を色々な方法で加工し、形を作っていくお仕事が「板金」です。板金のお仕事の内容を見てみましょう。

形状を変える

板金に圧力をかけて、任意の形に曲げる「曲げ」や、容器形状に圧縮する「絞り加工」、円筒形や部品からはみ出す形状に加工する「フランジ加工」、ハンマーや機械で板金を打ち出して形を整える「打ち出し」などがあります。手作業で行うこともあれば、プレスブレーキと呼ばれるプレス機を始めとした機械を使用して行うこともあります。

自動車や船などの乗り物のボディ加工から、家具のフレーム部分、住宅の雨どいやサッシなど、形状を変形して使われる金属の加工に用いられている方法です。強い圧力が必要なため、機械を使ったり、ロボットによるオートメーション加工が使われていたりすることも多いですが、工芸品などの繊細な曲げや絞り加工が必要な時には、人間の手で行われています。

板金を切る・くり抜く

板金は6mm以下の薄さでできているため、加工のしやすい素材です。板金を任意の大きさにしたり、形状を整える「切断」や、穴を開けたりくり抜いたりする「パンチ」や「シャーリング」などの技術があります。

板金が取り入れられている業種について

板金は私たちの生活のあらゆるところで使われています。どんなところで板金の技術が用いられているかを見てみましょう。

自動車などの乗り物関連

自動車やバイク、船まで色々な乗り物のボディ部分を作る技術は板金が取り入れられています。また、事故やミスなどで自動車のボディがへこんでしまった場合、元の形に戻すのもも板金が用いられています。

日用品

電化製品や家具など、日用品の中にも板金の技術が使われています。板金は、鉄だけでなくアルミやステンレスなどの素材でも作られているので、色々なメーカーの工場におけるものづくりの中で、板金が生かされています。

板金工として働くメリット

板金のお仕事に就く前に知っておきたい、メリット・デメリットについて見てみましょう。

未経験からスキルアップが目指せる

板金のお仕事は、未経験からでも始められるお仕事です。工場勤務が初めての方でも、応募できる求人もたくさんあります。また、板金は日常生活の色々なものづくりに取り入れられている技術のため、板金の仕事を通じて技術力を磨きながら、資格取得をするなどさらなるスキルアップも目指せます。

板金のお仕事の求人は、アルバイトや期間工はもちろん、正社員の募集もありますので、未経験から正規雇用を目指したい方にも最適です。

需要が高いので求人数も多い

板金のお仕事は、色々なシーンで応用される技術のため、様々な工場で板金のお仕事の求人が出されています。需要が高い仕事なので、選べる求人数も豊富にあり、自分が納得のいく年収や待遇のお仕事も探しやすくなっています。

自分が好きな物を作れるやりがいや達成感

板金のお仕事は、乗物から日用品まで作り出せる技術です。細かいパーツから大きな自動車や船まで、あらゆるものの形を作るお仕事のため、自分が好きなものを取り扱える板金のお仕事に就けば、自分が好きなものづくりの一端を担っている充実感や達成感、やりがいも多いお仕事です。

実は女性の進出も期待できる職種

板金のお仕事を行っている「板金工」と呼ばれる職種人口を見てみると、ほとんどが男性で女性の割合はとても少なくなっています。ところが、近年は女性ならではの細かさやセンスも板金技術に求められるようになり、女性の進出率もわずかながら上がっています。女性の割合が少ないことから、男性と女性での給料の差がない仕事なので、女性でも男性と同様にしっかり働いて高収入を得たい、という方にもおすすめのお仕事です。

長い間安定して働ける

板金のお仕事は需要が高いため、一度技術力が身に付けられれば幅広い業界で応用が利くので、長く働きたい人にもおすすめの職種です。さらに、企業や工場によっては板金に関する資格を取得するサポートが受けられたり、資格を取得するとお給料が上がるシステムを導入していたりするところもあります。

板金工として働くデメリット

作業環境が過酷なことがある

板金のお仕事は、同時に塗装も行う工程の場合はシンナーなどの塗料の匂いが気になったり、大型の機械を使用して行う場所ならずっと暑い中で作業をしたりと、作業環境が過酷な場合があります。場合によっては屋外で作業することもあります。よって、板金のお仕事に就きたいと思った時には、応募する前にその求人の仕事内容や環境を確認して、納得した上で応募するようにしましょう。

板金工に向いている人

需要が高く求人数も多い板金のお仕事。板金のお仕事に就く際に必要なものをご紹介します。

慎重さ

板金のお仕事は、機械だけでなくハンマーやカッターなどの工具を使用して、手作業で行う工程もあります。金属を取り扱う作業のため、ひとつのミスが大きなけがや事故に繋がる可能性もあります。よって、板金のお仕事に携わる人たちは毎日仕事に入る前の安全確認を徹底しています。

板金のお仕事は、作業に慣れて自信がついても、気を緩めることなく、常に安全を意識して慎重に取り組まなければいけないお仕事です。

根気良さ

板金のお仕事は、毎日同じ作業をコツコツ行うことが多いです。他の工場のお仕事と同じく、黙々と作業ができる根気強さや集中力も求められます。

板金の資格について

板金のお仕事は未経験からでも始められる求人もたくさんありますが、資格を取得すれば年収やスキルアップにも繋がります。板金に関する資格をご紹介します。

工場板金技能士

厚生労働省の認定する国家資格で、板金に関する技能検定試験が「工場板金技能試験」です。工場板金に関する学科試験と実技試験に合格すると、「工場板金技能士」を名乗れます。

「曲げ板金作業」、「打出し板金作業」、「機械板金作業」、「数値制御タレットパンチプレス板金作業」の4つの区分があり、特級・1級・2級(曲げ板金作業のみ3級もある)の等級があります。なお、1級合格者は職業訓練指導員 (塑性加工科)の実技試験と学科試験の関連学科が、2級合格者は実技試験が免除となります。

中央職業能力開発協会が問題作成を行っており、各都道府県の職業能力開発協会で検定試験を実施しています。

建築板金技能士

工場板金技能士と同じく、厚生労働省の認定する国家資格で、住宅などの建物に関する板金技術に関する技能検定試験が「建築板金技能士」です。こちらは合格すると「建築板金技能士」を名乗れます。

「内外装板金作業」と「ダクト板金作業」の2つの区分があり、内外装板金作業は1級から3級まで、ダクト板金作業は1級と2級から成ります。

建築板金技能士の資格を取得すると、板金のお仕事に活かせるだけでなく、職業訓練指導員(建築板金科)の実技試験の免除も受けられます。

参考:実施職種・作業内容一覧 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)

自動車整備士

自動車整備士とは、調整や修理など、自動車のメンテナンス全般を担う国家資格です。取得するには所定の条件を満たした上で、国土交通省が実施する自動車整備士国家試験に合格しなければいけません。一級、二級、三級及び特殊整備士に分類されています。

板金工場や自動車メーカーの工場の板金工程で勤務する人の中では自動車整備士の免許を取得すると、任せられる仕事の幅が広がったり、給料が上がったりなどのキャリアアップのきっかけになることが多いため、板金工の中では取得を目指す人も多い資格です。

参考:国土交通省 自動車整備士になるために

まとめ 

板金のお仕事内容や活躍している業種、メリットやデメリット、必要なものや資格についてご紹介しました。未経験者でもチャレンジでき、一回技術力を身に着ければ幅広い業種で活躍できるのも板金のお仕事の魅力です。需要も高いお仕事のため、求人数も多いのも、板金のお仕事のメリットです。

記事の執筆者

株式会社クリオ はたら工場マガジン編集部
工場経験者も在籍しているはたら工場マガジン編集部が製造業の気になる情報を発信しています。体験者へのインタビューや工場の仕事の裏側もお見せします。